【感想・レビュー】『2.43清陰高校男子バレー部』第4話 【成長しない人間関係】

アニメ

3.秋季大会本番

 ここでも気になることが何点か。

 ここでもチカの成長が描かれているんです。県中2回戦でユニは緊張して力が全く発揮できていなかったですが、それに対してチカは「緊張したことないからわからない」と話をします。まぁ緊張したことないなら対処のしようがないので、真っ当な回答ではありますが少しそっけないですよね。

 しかし秋季大会では「周りを見るな、コートの中だけ見てろ。コートの中に全部ある。敵も、味方も」とアドバイス?を送るわけです。知らないといっていた緊張への対処法を教えるんです。自分から歩み寄る姿は良かったですね。コミュニケーションの取り方を覚えてきた感じがみられます。

 問題はユニの描き方ですね。県中2回戦、IH予選と緊張で全く力が出せていなかったユニは、チカの言葉だけでスパイクが決まるようになるんですよね。県中2回戦でのチカの苦悩の末のワンマンプレー、IH予選で苦しい思いをした先輩方の気持ちは一体何だったのかと疑問でしかないです。おそらくユニ自身も苦しんでいただろうし、チカや先輩たちも悩まされてきたはずです。それがあっさりと解決しすぎて不自然さが目立ちますね。メンタルが強くなる過程を、バレーの試合を交えながらもう少しじっくり描いて欲しかったですね。

 秋季大会終了後にいとこの絃子とゲームセンターらしきところに行くのも納得できません。バレーへのやる気を感じられないです。翌日も大会があるのにもかかわらず、遊びに出かけ、調整をしたり体を休めることを半ば放棄しているわけです。これが本気で全国目指している人とは思えないんですよね。ヨリちゃんは試合中に一生懸命プレイするユニを見て本気度を測っていたと思うのですが、それを台無しにしている感じがします。やはりここまで怠惰であるとバレーへの熱量がほんとにあるのか疑いますし、打ち込む姿に共感ができないんですよね。

 この場面で良かった点はヨリちゃんですかね。第1話でもユニを守るためにチカとバチバチするなど、芯が通っている姿が見られました。この第4話で大会の様子を見に来るなど、なんだかんだでユニのことが心配だというかわいい一面をみせました。大会で見事活躍する姿をみて、ユニがバレーに対して本気であることを認めました。中学以降ほとんど連絡を取っていなかったと語っていましたが、これから関係性が修復するのかなと思いました。

 しかし終盤、ヨリちゃんが突然不良に絡まれてしまいます。ユニが助けに入ろうとしますが”バレーをしたいならかかわるな”とユニが近づくことを許しませんでした。大会期間ですから、暴力事件にかかわっていたとなれば大問題になります。ユニの夢を応援したいという想いが伝わる一方で、これからの二人の関係性が心配になりました。

  ともかくこの一連のシーンは痺れましたね。悪役、ではないですけどユニがバレーをする上での障害のような人物だったヨリちゃんが、一変してバレーを認めるわけですからね。それほど心が動かされたということでしょう。バレーに一生懸命やっている姿に応援したくなるケンカしていても巻き込みたくないなどユニに対する家族愛がより伝わる回でした。

【まとめ】

 チカヨリちゃんはすごくいいキャラをしていて、応援したくなりますね。しかし先輩たちの中途半端さが目立ちますし、何よりユニが人間的に幼すぎます。特にユニに関しては共感できる要素がほとんどない状況です。雰囲気自体は好きですが、甘々な設定が目に余ります。これからはあまり期待できないかなといった感じでしょうか。

 次回もどうぞよろしくお願いします。

コメント

  1. […] […]

タイトルとURLをコピーしました